キムリア(成分名:チサゲンレクルユーセル)は日本国内初となる白血病のCAR-T細胞療法薬で、B細胞性腫瘍を特異的に攻撃し、腫瘍細胞の死滅を目指す薬です。
キムリアを製造する仕組みはまず患者さんご自身のT細胞を取り出す為に白血球アフェレーシスを行います。そしてアメリカの製造施設にてT細胞の遺伝子を改変と増殖を行い、アフェレーシスから最短で5~6週間で日本の医療機関到着。そして体内へ戻すことととなります。
キムリアの製造には厳格な温度・品質管理が必要で専用凍結容器を用いてマイナス120度の保管、管理が求められます。
キムリアの治療対象となるのは、治療を受けるときに25歳以下で、CD19抗原が陽性であることが確かめられてB-ALLと診断(「再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病」、または「再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫」)され、以下のいずれかに該当する患者さんです。
● 初発の場合、標準的な化学療法を2回以上受けたものの、寛解が得られなかった
● 再発の場合、化学療法を1回以上受けたものの、寛解が得られなかった
● 同種造血幹細胞移植を受けることができない、または同種造血幹細胞移植後に再発した
またキムリアによる治療を行う医療機関については当初は2~3施設に限定する方針との事です。
なお薬価は海外の国々に比べると低くなったものの、3349万円と日本最高額となりました。