医療通訳の資格について

医療通訳の資格について

「医療通訳の資格は必要ですか?」
「医療通訳になるには、どの試験を受ければよいですか?」

このページでは、医療通訳の資格・検定制度の全体像と、
医療通訳を目指す際の現実的なステップについて、分かりやすく解説します。


医療通訳に国家資格はあるのか?

結論から言うと、医療通訳は国家資格ではありません。

現在の日本には、
「医療通訳士」「医療通訳者」として国が認定する国家資格制度は存在していません

その代わりに、

  • 医療通訳に必要な知識・技能・倫理を評価する

  • 民間の資格・検定試験・認定制度

が複数存在し、医療現場や通訳業務の実務では
「どの資格・検定に合格しているか」
「どの基準に沿った研修を修了しているか」
が判断材料として用いられています。


医療通訳の主な資格・検定制度一覧

一般財団法人 日本医療教育財団

医療通訳技能認定試験【専門/基礎】

一般財団法人 日本医療教育財団が実施する
「医療通訳技能認定試験」は、医療通訳者に求められる基礎的な知識・技能・倫理を評価する試験制度です。

試験の特徴

  • 医療通訳者に必要な
    医学知識/医療制度/倫理/通訳技能
    を総合的に評価

  • 能力証明・スキルアップの目標として活用可能

試験区分と称号

  • 医療通訳専門技能認定試験
     → 合格者に「医療通訳専門技能者」

  • 医療通訳基礎技能認定試験
     → 合格者に「医療通訳基礎技能者」

対象者

  • 専門技能:医療機関等で専門的な医療通訳業務に従事する方向け

  • 基礎技能:医療通訳をこれから目指す方、ボランティア等で基礎的な医療通訳に携わる方

試験概要

  • 対象言語:英語・中国語

  • 試験日程:
    1次試験:年1回(11月)
    2次試験:年1回(2月)

  • 試験会場:東京・大阪

※当社の医療通訳養成講座は、この「医療通訳基礎技能認定試験」に対応した内容で構成されています。


一般社団法人 日本医療通訳協会

医療通訳技能検定試験

医療通訳分野において、通訳技能を客観的に評価する指標がなかったことを背景に、2014年に設立された検定試験です。

試験の主なメリット

  • 年2回(春・秋)実施されるため受験機会が多い

  • 中国語やベトナム語にも対応している数少ない医療通訳検定

  • 東京・大阪だけでなく
    全国各地に試験会場がある(地方在住者も受験しやすい)

対象言語

  • 英語・中国語・ベトナム語
    (その他言語も一部対応)

試験レベル

  • 医療通訳1級
     医療全般およびがん治療など重度疾病に対応可能なレベル

  • 医療通訳2級
     人間ドック・慢性疾患・中軽度疾病に対応可能なレベル

試験概要(2026年以降)

  • 実施回数:年2回(春期・秋期)

  • 一次試験(筆記)
     会場試験/120分
     医学知識・医療制度・倫理など

  • 二次試験(実技)
     ロールプレイ形式(約15分)
     医療知識・通訳力・態度・礼儀などを総合評価

  • 試験会場:
     東京・大阪・名古屋・福岡・広島・札幌・沖縄 ほか


③ ICM認定医療通訳士制度について

国際臨床医学会(ICM)が認定する医療通訳者制度です。

ICM認定医療通訳士は、
試験合格だけでなく、講習受講・研修時間・語学力証明など、複数要件を満たした通訳者を認定する制度です。

主な認定要件(概要)

  • ICM認定医療通訳試験の合格(医療教育財団や医療通訳協会の試験合格が必要)

  • ICM認定医療通訳士講習会の受講

  • 医療通訳育成カリキュラム研修
     50単位(75時間以上)

  • 言語運用能力の証明
    (TOEIC・HSK・日本語能力試験など)

対象言語(重要)

  • 日英・日中のみ

  • ベトナム語は現在、ICM認定の対象外です

ICM認定を目指す際の注意点

  • 医療通訳協会の検定試験であっても
    オンライン試験での合格は、ICM認定要件として認められない場合があります(会場での受験が原則必須)


医療通訳の資格取得の流れ(講座・試験・認定)

医療通訳の資格は、段階的に取得していくのが一般的です。

基本的なステップ

① 医療通訳養成講座を修了

② 医療通訳技能検定試験・認定試験を受験(中国語・ベトナム語共通)

③ 必要に応じてICM認定へ(中国語対象)

という流れで考えるのが現実的です。

※ICM認定はすべての言語が対象ではなく、特にベトナム語は現時点では対象外となっています。


当社の医療通訳養成講座について

当社の医療通訳養成講座は、

  • 検定試験対応コース
    「医療通訳基礎技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に準拠

  • ICM対応コース
    厚生労働省「医療通訳育成カリキュラム基準」に準拠

した内容で構成されています。

医療通訳の基礎知識、医療通訳者としての倫理、
そして通訳業務に必要な考え方や姿勢を、体系的に学習できる講座です。

本講座は、

  • 医療通訳技能認定試験・技能検定試験などの各種検定試験への対応

  • 将来的に ICM認定医療通訳士を目指すための基礎・土台づくり

の両方を視野に入れた内容となっています。

医療通訳をこれから目指す方にとって、
資格取得・検定試験、さらには次のステップにつながる第一歩となる講座です。


まとめ

  • 医療通訳は国家資格ではない

  • 複数の信頼性ある資格・検定制度が存在する

  • 日本医療通訳協会の検定試験は
    年2回実施/ベトナム語対応/受験地が多いという実務的メリットがある

  • 医療通訳は
    講座修了 → 検定試験 → 必要に応じて上位認定
    という段階的な取得が一般的

  • ICM認定は
    言語・受験方式に制限があるため事前確認が重要

    ※講座の内容・修了時間・対象言語により、対応する試験・認定制度は異なります。詳細は各講座案内をご確認ください。


よくある質問(FAQ)

ここからは、医療通訳の資格について、よくいただく質問をまとめています。

Q1. 医療通訳になるために資格は必須ですか?

必須ではありません。
医療通訳は国家資格ではなく、資格がなくても医療通訳業務に携わることは可能です。

ただし、医療現場や通訳派遣の実務では

  • 医療通訳に関する基礎知識・倫理を理解しているか

  • 一定の基準に沿った研修や検定を受けているか

が重視されるため、検定試験や養成講座の修了は、実務上の信頼性を高める重要な要素となります。


Q2. 医療通訳の資格には、どのような種類がありますか?

主に以下のような資格・検定制度があります。

  • 一般財団法人 日本医療教育財団
     医療通訳技能認定試験(基礎/専門)

  • 一般社団法人 日本医療通訳協会
     医療通訳技能検定試験(2級/1級)

  • 国際臨床医学会(ICM)
     ICM認定医療通訳士制度

これらは役割や対象レベルが異なり、段階的に取得していくものです。


Q3. 医療通訳は、どの資格から目指すのが一般的ですか?

医療通訳を初めて目指す方は、

  1. 医療通訳養成講座で基礎知識・倫理・通訳の考え方を学ぶ

  2. 基礎~2級レベルの検定試験を受験する

という流れが一般的です。

いきなり上位資格や認定を目指すよりも、
基礎力を身につけたうえで段階的に進むことが、長く続けるための近道となります。


Q4. ベトナム語の医療通訳資格はありますか?

はい、あります。
一般社団法人 日本医療通訳協会の
医療通訳技能検定試験は、ベトナム語に対応しています。

また、

  • 年2回(春・秋)実施

  • 全国各地に試験会場がある

という点から、在日ベトナム人医療通訳を目指す方にとって、現実的な検定制度といえます。

※なお、ICM認定医療通訳士制度は、現在ベトナム語は対象外となっています。


Q5. ICM認定医療通訳士になるには、何に注意すればよいですか?

ICM認定医療通訳士を目指す場合、以下の点に注意が必要です。

  • 対象言語は現在 「英語・中国語」のみ であり、
    ベトナム語はICM認定の対象外 となっています。

  • 医療通訳協会の検定試験であっても、
    オンライン試験での合格は、ICM認定の要件として認められない場合があります。

  • ICM認定を申請するためには、
    会場で実施される検定試験(一次・二次)を受験し、合格している必要があります。

  • 試験合格に加えて、
    医療通訳育成カリキュラム基準に基づく、75時間以上の医療通訳養成講座を受講・修了していること
    が認定要件の一つとなっています。

ICM認定を視野に入れている方は、
対象言語・受験方式(会場受験かどうか)・必要な研修時間を事前に必ず確認することが重要です。


医療通訳を目指す方へ

医療通訳を目指す方は、まずはご自身の言語に合った
医療通訳養成講座をご確認ください。

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