年別アーカイブ 2019

九州大学病院の小児生体肝移植チーム ミャンマー国内で初の小児生体肝移植

海外・発展途上国で国際協力を行う医師・看護師を派遣、アジアの子どもを支援する国際医療ボランティア組織の『特定非営利活動法人ジャパンハート』のプレスリリースからのお知らせです。
『ジャパンハートは、2019年3月17日、ミャンマーで小児生体肝移植を実施するため、九州大学病院の小児生体肝移植チーム(小児外科、肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科、麻酔科蘇生科より構成)をヤンゴンこども病院へ招へいすることとなりました。ミャンマー国内での小児生体肝移植は、初の実施です。』
近日のニュースで手術は成功したという報道もされておりました。

ジャパンハート様のリリースはこちら
https://www.japanheart.org/topics/press-release/190220-2.html

弊社看板が取り付けられました

『(株)日本国際医療センター』とロゴとの入った看板がビルの側面に取り付けられました。
これからも医療ツーリズムの発展と外国人患者・受診者の受入れの拡大と円滑化を図るべく邁進していきます。

外国人医療の諸問題

 

2018年11月に福岡医師会が『外国人医療の諸問題』というテーマのレポートを発表しておりますので紹介いたします。
レポートの概要は以下となります。
『近年日本を訪れる訪日外国人の数は増加しており、2018年は3000万人を突破するとみられ(発表当時はまだ確定しておりませんでしが、2018年の訪日外国人数は3119万人と初の3000万人を突破しております。)、日本国政府は2030年までに6000万人を呼び込む目標を掲げております。また外国人労働者の受入れ拡大に向けた動きを見せており、今後日本国内での外国人の数は増えていくと予想。しかし医療現場においては外国人患者とののトラブルが顕在化しており、日本医師会は医療プロジェクトチームや検討会の立ち上げ対策を急いでいる。
データは2015年のものとはなりますが、外国人患者とトラブルの主な事例は以下のようになっております。
◇金銭・医療費に関するトラブル(29.8%)
◇言語コミュニケーション上のトラブル(26.5%)
◇通訳に関するトラブル(10.6%)
◇宗教や思想・習慣等の相違に起因するトラブル(6.8%)
◇他の患者との間でのトラブル(2.4%)
◇訴訟に発展した・する可能性のあったトラブル(1.3%)
また未収医療費の有無では35.7%の医療機関が未収ありと回答』

金銭・医療費に関するトラブルや言葉の問題が大半をしめておりますが、弊社も医療機関からのヒアリングでも同様な結果となっております。
これらの改善を行うために当社でも医療費の未収を防ぐ取り組みや、通訳や翻訳の案内などを無料でお手伝いしております。

外国人の外来で問題を抱えていらっしゃる医療機関の方々はぜひご相談下さい。

掲載元:福岡医師会
http://www.city.fukuoka.med.or.jp/jouhousitsu/report227.pdf

九州国際医療機構による『外国人患者受入れセミナー』

2019年3月14日、九州国際医療機構による『外国人患者受入れセミナー』に参加いたしました。
セミナーの発表者は国立国際医療研究センター 国際診療部の特任研究員の堀先生、国土交通省九州運輸局観光部次長の脇野様、球種大学病院国際診療支援センターの相良先生、 佐賀県医療センター好生館の大西様、佐世保市総合医療センターの畑中様で、実際の外国人受入れについての体験談や問題店などを発表され、大変勉強になりました。
外国人患者の不払い問題や言語に対する問題、解決方法など当社としても取り組むべき課題も見つかりました。
前受け金やキャッシュレスでの決済サービスや多言語コールセンターの拡充など外国人患者の受け入れ体制の整備のお手伝いにも今後力をいれていきたいと決意を新たにした次第です。
このようなセミナーに参加でき、非常に有意義でした。

2018年訪日外客数(訪日外国人)が3000万人を突破

医療ツーリズムのJIMC(日本国際医療センター)です。医療ツーリズム、医療関係等のニュースを紹介しております。


2019年1月19日にJNTO(日本政府観光局)が発表した資料によると2018年の訪日外客数(訪日外国人数)が初めて3000万人を突破し、最終的には31,191,900人程度になるとの事です。
国別でみると中国が最多の8,380,100人で全体の約26%、前年比でも13.9%と大幅に伸びております。
JNTOの資料によると(以下引用)
『中国の訪日旅行者数は過去最高を記録、全市場を通じ、初めて年計で 800 万人を超えた(これまでの過去最高は 2017 年 7,355,818 人)。個人旅行(以下、FIT)市場の拡大を受け、関西空港閉鎖の影響を受けた 9 月を除く月で同月過去最高を記録。特にハイシーズンである 7、8 月は、80 万人を超える訪日があり、7 月には単月として過去最高となる 879,097 人を記録した。』
との事です。
2位が韓国で7,539,000人、3位が台湾で4,757,300人となっており、香港、タイと続いてます。タイは1,132,100と初の100万人を超え、こちらも前年比で14.8%増と大幅にのびているようです。

2012年は836万人だった訪日外国人がわずか6年で4倍弱まで増加してます。ビザの緩和や積極的な誘致が功をそうしていると思いますが、突発的なケガや病気で医療機関にかかる外国人もその分増えていると考えるとその状況で当社として何ができるのか、どうやれば人の助けになるのかを考えていきたいと思うのであります。

資料引用
JNTO(2019年1月19日)
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/190116_monthly.pdf

日立、iPS細胞自動培養装置を製品化

医療ツーリズム、医療関連のニュースをお届け致します。
iPS細胞の自動培養装置が製品化されたという画期的なニュースを紹介します。

2019年3月11日に株式会社日立製作所はiPS細胞大量自動培養装置を製品化し、2019年3月8日に第一号機を大日本住友製薬株式会社の再生・細胞医薬製造プラントに納入したと発表しました。
製品名は『iACE2(アイエースツー)』、国内で初めて再生医療等製品に使用するiPS細胞の商用製造が可能な装置です。
現在iPS細胞は熟練者による手技で培養されていますが、こちらの装置は細胞の播種、培養、観察を無菌状態で行る事ができ、品質の高い細胞を安定的に供給する事が可能です。
2019年3月末には第二号機も納入する予定で2022年度にパーキンソン病向けの医薬品販売を目指す大日本住友製薬と共同で研究を行っています。

掲載元:日立製作所ホームページ(2019年3月11日)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/03/0311.pdf


iPS細胞から作った樹状細胞が消化器ガンへ効果

医療ツーリズムのJIMC(日本国際医療センター)です。医療ツーリズム、医療関係等のニュースを紹介しております。



去年のニュースですが和歌山県立大学が「iPS細胞由来樹状細胞を用いて消化器固形癌に対するワクチン効果を初めて確認」という発表を行いました。
・樹状細胞がんワクチン両方の問題点
・iPS細胞由来樹状細胞ワクチン療法
・健常人の皮膚線維芽細胞からヒトiPS-DCの樹立
・iPS細胞由来樹状細胞を用いて消化器固形癌に対するワクチン効果を初めて確認
・将来展望
上記5項目についての発表でしたが人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った免疫細胞の一種である「樹状細胞」で、消化器がんへのワクチン効果が初めて確認できたとの事です。
がん患者から樹状細胞を得るためには大量に末梢血採血が必要で、かつ樹状細胞事態の機能も低下しているなどの問題があったため、樹状細胞をiPS細胞から作り出し、健常な人と同等な免疫機能樹状細胞を作り出す事ができると着目し、マウスを使っての実験でも強力な抗腫瘍効果を発揮したとの事です。

掲載元:和歌山県立医科大学(2018年3月19日)
http://www.wakayama-med.ac.jp/intro/press/201803/180319.pdf


日本人95パーセントに適合 拒絶反応少ないiPS細胞

iPS細胞(人工多能性幹細胞)にゲノム編集技術を用い、他人のiPS細胞でも移植時の拒絶反応を起こしにくくすることに成功したと、京都大iPS細胞研究所の研究チームが発表した。他人のiPS細胞を利用すれば作製時間や費用を大幅に減らせる一方、拒絶反応が起こる問題があった。成果は8日、米科学誌「セル・ステム・セル」電子版に掲載される。

掲載元:毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190307/k00/00m/040/245000c

がん免疫療法の効果、事前に予測可能? 大阪大が新技術

免疫細胞のガンに対する攻撃する力があるかどうかが分かるという画期的なニュースがありましたので紹介いたします。


がん患者の免疫細胞が、どれくらいがんを攻撃する力があるかを調べる技術を開発したと、大阪大の岩堀幸太特任講師(呼吸器内科)らのチームが22日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文を発表した。この技術を使えば、オプジーボなどのがん免疫療法の効果を事前に予測できる可能性があるという。

オプジーボやキイトルーダといった免疫の力を利用してがんを攻撃する薬は「免疫チェックポイント阻害剤」と呼ばれ、様々な種類のがんに使われるようになっている。ただ、よく効く人は2~3割とされる一方、事前に効果を予測する方法は確立していない。

チームは、免疫細胞とがん細胞の両方に結合する性質を持った物質を使用。患者の血液に含まれる免疫細胞とともに皿の中に入れ、がん細胞が死滅する割合をみることで、免疫細胞の攻撃力を評価できることを確認した。

さらに培養皿にオプジーボを加えて実験。攻撃力が高いと評価した免疫細胞ほど、オプジーボの効果が高いこともわかった。実際に免疫チェックポイント阻害剤を使った患者6人を比べると、免疫細胞の攻撃力が高い3人の方が、低い3人より、薬の効果がないなどの理由で治療を中断しないで済んでいたという。

岩堀さんは「現在、さらに多くの患者できちんと効果を予測できるか調べている。3年後くらいには実用化したい」と話している。

掲載元:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASM2R2HCNM2RUBQU006.html

免疫細胞「疲弊」の原因解明

免疫細胞のT細胞についてのニュースが発表されてましたので紹介いたします。


がんを攻撃する免疫細胞のT細胞は、活性化され続けると「疲弊」して攻撃能力がなくなることが知られている。慶応大と米ラホヤ免疫アレルギー研究所の共同研究チームは、疲弊の原因となる遺伝子を突き止めた。論文は28日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。
タレントの堀ちえみさん、がん公表

オプジーボなどのがん免疫療法は、T細胞のがんを攻撃する力を利用するが、疲弊したT細胞の攻撃力は弱く、その仕組みの解明が課題だった。
慶応大医学部の吉村昭彦教授らは、疲弊化したT細胞で特徴的に働く遺伝子を解析。遺伝子の働きを調節するたんぱく質「Nr4a」が、T細胞のブレーキ役となる分子「PD-1」の働きを強める一方、がん細胞を攻撃する分子の産生を弱めていることも分かった。
Nr4a遺伝子を欠損させたT細胞をつくり、腫瘍を持つマウスに移植したところ、腫瘍が小さくなり、90日後も約7割が生存していた。通常のT細胞を移植したマウスは約半数のT細胞が疲弊し、90日後には全て死んだ。

掲載元 時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019022800115&g=soc